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知らないと損!医療費が高額になった時に使える高額療養費制度とは?

作成日:2021.06.21 更新日:2021.11.10 老後資金の準備

知らないと損!医療費が高額になった時に使える高額療養費制度とは?
多額の医療費を支払ったときにお金が返還される制度をご存じですか?

その制度は高額療養費制度と呼ばれています。

制度を知っているかどうかで、支払う医療費に大きな違いがでるかもしれません。

この記事では高額療養費制度について詳しく解説していきます。

高額療養費制度とは

入院や手術などで医療機関を利用すると、思っていた以上にお金がかかるものです。

健康保険証を提示しても、原則として医療費の3割を自己負担しなければなりません。

例えば、夏場になると多発する熱中症。

軽度の熱中症であれば自己負担額は1万円ほどで済みますが、中度や重度の熱中症なら入院しなくてはいけない場合もあります。

重度の熱中症ともなれば、入院日数が数日に渡るケースも多く、自己負担額は10万円以上かかります。

高額な医療費は、家計を大きく圧迫してしまうため、金銭的に余裕がない人には医療機関を利用すること自体、ためらってしまいますよね。

高額療養費制度は、そのようなことにならないよう、世代や収入を問わずに誰もが安心して医療が受けられるように設けられた制度です。

国民に過度な負担を与えないようにするため、支払うべき医療費の上限(自己負担限度額)を定め、その金額を超えて支払った分を返還します。

高額療養費制度の自己負担限度額は法定されており、公平の観点から年齢や所得に応じてその金額は異なります。

また社会情勢の変化に対応すべく必要に応じた限度額の見直しも行われています。

高額療養費制度の利用条件

高額療養費制度の利用条件
高額療養費制度は、国民健康保険・健康保険組合・全国健康保険協会といった健康保険に加入していれば、誰でも利用することができます。

1日~末日までの1カ月間で、1つの医療機関において医療費の支払いが21,000円を超える場合に適用されます。

そのため、月をまたいだ医療費の合算はできません。

また、1年間で3カ月以上高額療養費制度に該当する場合には医療費負担がさらに小さくなります。

同一世帯に住む家族の医療費を合算できることもポイントですが、加入している健康保険が異なる場合には医療費の合算ができないので注意してください。

高額療養費制度の自己負担限度額と計算方法

高額療養費制度では自己負担限度額を決定するために、年齢と年収を要件にした区分が設定されています。

また、多数回該当という制度が用意されています。

この制度では過去1年以内に高額療養費制度に3回以上該当する医療費支払いがあったとき、4回目から自己負担限度額が下げられるというものです。

返還される医療費が多くなるので支払い負担が少なくなります。

原則的に自己負担限度額は、病気や診療の内容によって変化することはありません。

例外として、血友病、人工透析、HIVといった長期間にわたって高額な医療費を継続的に支払わなければならない病気については、高額療養費制度の特例が用いられます。

特例に認定された場合の自己負担限度額は月額1万円です。

70歳以上75歳未満の方の限度額(平成30年8月診療分から)

70歳から75歳未満の方の自己負担限度額にも、収入による以下の3つの区分があります。

  • 現役並み所得者
  • 一般所得者
  • 低所得者

70歳以上75歳未満の方
参考:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(平成30年8月診療分から)

70歳未満の方の限度額

70歳未満の方は、標準報酬月額に応じて、区分がアからオの5つに分類されています。

自己限度負担額を知るには、自分がどの標準報酬月額の区分にいるのかを調べなければなりません。
70歳未満の方の限度額
参考:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(平成30年8月診療分から)

高額医療費の自己負担額の計算例

Aさんは40歳で標準報酬月額28万円の会社員です。

2020年8月に入院し、その月の総医療費が70万円かかった場合、自己負担額と高額医療費として支給される金額はいくらになるでしょうか。

まずAさんは区分ウに該当するため、自己負担限度額は80,100円+(総医療費-267,000円)×1%で算出します。

【自己負担限度額】80,100円+(700,000円-267,000円)×1%=84,430円…①
【本来の自己負担額】700,000円×30%=210,000円…②
【払い戻される金額】② – ①=210,000円 – 84,430円=125,570円

高額療養費制度の申請方法

高額療養費制度は自分で申請しなければ利用できません。

この制度を使うには、加入している健康保険に申請書を提出する必要があります。

申請期限は、診療を受けた月の翌月初日から2年間です。

申請には、事前申請と事後申請の2通りがあります。

どちらの方法でも、支払額の総額は変わりません。

事前申請の場合(限度額適用認定証を利用)

医療費が高額になりそうなときには「限度額適用認定証」を使い、事前に高額療養費制度の利用を申請しておくとよいでしょう。

事前に申請しておくことで、払いすぎた金額をあとで返還されるのではなく、支払う金額を自己負担限度額までにすることが可能です。

まず、交付は加入している健康保険の窓口に申請して「限度額適用認定証」の交付を受けます。

医療費の支払い時に、保険証と一緒に「限度額適用認定証」を提出して、医療費を支払います。

事後申請の場合

事後申請では、医療機関の窓口で医療費の支払いを済ませた後に、高額療養費制度の申請をします。

高額療養費制度の申込み先は、加入している健康保険の窓口です。

申請が通った後、自己負担限度額を超過して支払った金銭が還付されます。

還付される時期は、申請後3カ月後くらいが目安となっています。

もし高額療養費制度を利用したものの、超過分が戻ってくるまで医療費を建て替えておくのが厳しい場合は、高額医療費貸付制度を活用するという方法もあります。

高額療養費制度の注意点(対象とならない医療費もある)

高額療養費制度の注意点
高額療養費制度が適用されるのは、健康保険の対象範囲となる医療費です。

通常の診療費、入院や手術費用の他、薬剤費や処置費なども高額療養費制度の対象となります。

一方で差額ベッド代、入院中の食事代、入院中の日用品代などは対象外となっています。

この他にも、先進医療・自由診療で行われた歯科治療・美容整形費用といった保険適用外診療には高額療養費制度を使えません。

帝王切開の場合は適用になりますが、正常分娩による出産費用には使えないので注意しましょう。

高額療養費制度を上手に使おう

高額療養費制度を上手に使えば医療費の負担を大きく減らせます。

医療費が高くなりそうな場合には、高額療養費制度を事前申請するとよいでしょう。

なお、入院などでは保険が適用されない費用も発生するので、貯金や民間保険による備えも大切です。

また、医療費を捻出する方法として、持ち家にお住まいの場合はリバースモーゲージを使って融資を受ける、といった方法もあります。

緊急の場合に利用するのは難しいため、事前に自分の家が融資対象なのかどうかだけでも、チェックしておくと良いでしょう。

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