2021年06月28日(2022年07月26日更新) 老後の暮らし
「夏になると熱中症が心配だけれど、エアコンの風が好きじゃない」という方も多いのではないでしょうか。
年配層の中には夏でもエアコンは使わずに過ごす、という方もいらっしゃいますよね。
しかし、夏の暑い時期をエアコンなしで過ごすのはとても危険なのです!
そこで今回は、熱中症対策にも有効なエアコンの活用方法について解説していきます!
目次
高齢者がエアコンを嫌がるのには、主に以下の4つの理由があると考えられます。
順番に見ていきましょう。
エアコンを使いたがらない理由の一つとして、暑さを感じづらくエアコンがそもそも必要ないと感じてしまう、ということが挙げられます。
年を重ねると暑さを感じる機能や基礎代謝が低下していきます。
そのため、真夏でも暑さを感じづらく、冷房を使用する必要がないと感じる傾向にあるようです。
しかし、新陳代謝が低下することで汗が出づらくなり、その結果温度調節がうまくできずに熱中症になってしまうことも少なくありません。
暑さを感じないから大丈夫、ということではない点には注意が必要です。
そもそも、エアコンが一般家庭に普及し始めたのは昭和40年ごろからです。
しかも、当時は価格も高かったため、今のように当たり前にエアコンを使うようになったのはもっと後になってからと考えられます。
そう考えると、今の60代以降にはエアコンに馴染みがないのもうなずけますね。
馴染みがないので、必要性を感じないシニア層は多くいるはずです。
3つ目の理由として、操作方法がわからない、ということも考えられます。
方法がわかればリモコンの操作はシンプルですが、元々馴染みのない機械を大人になってから使うのには、相当なエネルギーが必要になります。
高齢者にとってエアコンは「使い方がよくわからない、面倒なもの」という位置付けになっていてもおかしくありません。
電気代がもったいないと感じてしまう高齢者も少なくありません。
昔は、真夏でもエアコンなしで過ごすのが普通でした。
窓を開けて風を入れ、扇風機をかけて夏を過ごしてきたシニア層にとっては、涼しくするのに電気代を払うのがもったいないと考えている方も少なくないのです。
しかし、年々地球温暖化が進んでいると言われているように、数十年前の真夏と、近年の真夏の気温は大きく異なります。
「エアコンなしでも大丈夫」と思っていると知らない間に熱中症や脱水症状を起こしていることも少なくないため、侮ってはいけません。
夏の暑い季節になると増える熱中症は、直射日光や高温多湿の環境下で起こります。
熱中症は重症になると、意識障害や全身の痙攣が起こるので注意が必要です。
特に60歳以上になると、若い世代より熱中症になりやすいと言われています。
その理由は、先ほどもお伝えしましたが、老化により暑さを感じにくいという点が大きく影響しています。
そのため、気づいたときには、既に熱中症が重症化してしてしまっているケースが多々あるのです。
また、歳を重ねるごとに新陳代謝が悪くなることによって体温調節がしにくいのも理由の一つです。
汗をかきづらくなっているために汗をかいて体温を下げることができず、若年層より熱中症になるリスクが高まるのです。
また、高齢になると体内の水分量が減少し、喉が渇きにくくなります。
水分補給を忘れてしまうために、気づいたら脱水症状や熱中症を引き起こすことになってしまうのです。
熱中症の初期症状は以下の通りです。
これらの症状が現れなくても、熱中症である可能性はあります。 いつもと違うと感じたら、休息を取ることが大切です。
身体がだるい、頭痛がする、吐き気があるなど、熱中症の症状を感じたら、まず涼しい場所に移動しましょう。
室内ならエアコンの効いた部屋、屋外なら日陰の涼しい場所に移動させます。
次に、身体にこもってしまった熱を逃すために、身体を冷やしましょう。
衣服をゆるめたり、冷却材で首や脇の下などを冷やすなどして、こもった熱を逃すようにしてください。
そして、十分な量の水分補給をしましょう。
水分補給する際は、ミネラルウォーターではなく失われた電解質を補給できる経口補水液やスポーツドリンクが好ましいです。
症状が軽度の場合は、これらの対処をし十分な休息を取ることで症状が回復していきます。
しかし、自力で水分補給ができなかったり、意識が朦朧としている場合は熱中症が重症化し大変危険な状態です。
速やかに病院を受診するようにしましょう。
熱中症は対応が遅れると、命を落としてしまうこともある危険な病気です。
「これくらいなら大丈夫」と過信せずに、少しでも症状が現れたらエアコンの効いた部屋で休息を取るようにし、心配な場合は病院を受診するのが良いといえるでしょう。
やはり、熱中症や脱水症状を予防するには、エアコンをつけておくことが1番効果的といえるでしょう。
しかし、エアコンを嫌がる高齢者が多いのも事実・・・。
そこでここでは、シニア層にも快適に使っていただけるよう、エアコン購入のポイントやエアコンとの付き合い方について説明します!
エアコンをいざ買おうと思っても、費用面で躊躇してしまう方もいるでしょう。
安いものは数万円から、性能の良いものを買おうと思えば、数十万必要になります。
そこでぜひ活用していただきたいのが、各自治体が実施しているエアコン購入の補助金です。
例えば東京都狛江市では、5万円を上限に熱中症予防としてエアコンの購入・設置費用を助成を行っています。
条件は、
など各自治体によって異なりますが、エアコンが家庭に一台もない場合には、ぜひ活用をおすすめします。
詳しい条件は、各自自体のホームページを見てくださいね。
先述しましたが、エアコンの操作が複雑で使いこなせないためにエアコンを避ける高齢者も少なくありません。
そのため、エアコンを購入する際には、リモコン操作がシンプルでわかりやすいものにすることをおすすめします。
また、最初は家族がサポートを行い、使用するボタンに印を付けたり、操作方法をレクチャーするなどのサポートもあるとなおGOODです。
暑いと感じていなくても、こまめに室内温度を確認するようにし、少しでも室内温度が高ければエアコンを使いましょう。
エアコンを使用際の最適温度は、28度です。
ただし湿度によって体感温度が変わるので、28度でも暑いと感じたら温度を下げてください。
また、寝ているときに室内温度が上がり熱中症になることもあるので、就寝中もエアコンを利用することをおすすめします。
エアコンが効きすぎた部屋にいると、体調を崩しやすくなる方もいますよね。
エアコンで体調を崩す方は、エアコンと一緒に扇風機や遮光カーテン、冷感タオルなどを利用するのが良いでしょう。
これらのグッズと併用することで、エアコンの設定温度が高くても快適に過ごせるようになります。
しかし、人によっては、やはりエアコンが苦手だという方もいるでしょう。
ここでは、エアコンが苦手な場合の熱中症対策についてお伝えします!
高温多湿で無風の環境では、熱がこもりやすく熱中症のリスクも高まります。
そこでおすすめなのは、サーキュレーターや扇風機などを活用し風通しの良い部屋にすることです。
外に向けてサーキュレーターや扇風機を使うと、部屋の熱を外に追い出すことも期待できます。
また、扇風機の前に氷を入れたバケツや凍らせたペットボトルを置くと、冷たい風が部屋に行き届くので、自然風でありながらエアコンを使っているかのような快適さを感じることができます。
熱中症は温度だけでなく、湿度も関係してます。
これは、湿度が高いと汗が蒸発しにくく熱がこもりやすくなるためです。
そんな時におすすめなのが、除湿機を活用するという方法です。
部屋の湿気が軽減されることで、体感温度が下がり、過ごしやすくなります。
人が快適に過ごせる湿度は約50〜60%と言われていますので、夏の暑い日には積極的に除湿機を使って湿気を取り除くようにしましょう。
室内に日光が当たると、部屋の温度が上昇してしまい熱中症のリスクが高くなってしまうため、直射日光そのものを避けるのもおすすめです。
部屋に遮光カーテンを取り付ければ、直射日光が入らず快適に過ごすことができます。
また、日中に外出する際もなるべく室内温度が上がらないように遮光カーテンを閉めて出かけるようにすることで、帰宅時のうだるような暑さを回避することができます。
遮光カーテンの他に、サンシェードやすだれを設置するのも効果的ですよ。
暑い部屋で厚手の衣服を着用すると、体温が上がり熱中症になる確率が高くなります。
薄手の衣類を着用し、身体の熱を発散させるようにしましょう。
特に夏の暑い時期には、吸水性や通気性が良い素材の衣服を選ぶのがおすすめです。
また最近では、着たときにひんやりするような冷感タイプの衣類も売っているので、ぜひチェックしてみてください!
脱水症状になると熱中症を起こしやすいため、喉が渇いたと感じる前に水分補給するようにしましょう。
また、汗をかくときは、水分と同時に塩分も排出されています。
そのため、ミネラルも補給できる経口補水液を飲んだり、水と一緒に塩飴や梅干しなどを食べることが大切です。
水分補給を習慣化させたいなら、水を飲む時間を予め決めておくのも良いでしょう。
体内の水分が失われやすい入浴前後や就寝前・起床後に水を飲むのがおすすめです。
自分では暑さや喉の渇きに気づきにくいので、家族が配慮することも大切です。
特に、熱中症や脱水症の初期段階では本人も気付けないことが多いため、注意が必要となります。
日頃からコミュニケーションをとり、部屋の温度や水分補給についてこまめに声をかけ、熱中症対策を行いましょう。
夏に気温が上昇しやすい家なら、思い切って風通しの良い家にリフォームしてみてはいかがでしょうか。
持ち家の場合には、リバースモーゲージを活用してその資金をもとにリフォームするのもおすすめです。
リバースモーゲージとは、家を担保に融資を受ける制度のことを指し、他の住宅ローンと異なり、本人の死亡後または契約期間後に担保となった不動産を売却して返済するのが特徴です。
毎月の返済は利息のみのところが多く、少ない負担で自宅に住み続けられるのが魅力です。
融資の使用用途に条件がある金融機関もあるので事前に確認する必要はありますが、家をバリアフリーにしたり、老後の生活に適した空間にリフォームして住み続けられるなんて、素敵ですよね。
暑い夏に発症しやすい熱中症ですが、室内温度をうまく調節することで、事前に発症を防ぐことができます。
エアコンの風が苦手な方は、今回ご紹介したサーキュレーターや遮光カーテンなどをうまく活用するようにしてくださいね。
ただし、それらの方法ではどうしても限界があるため、自分自身の健康のためにも、無理のない範囲でエアコンを活用することをおすすめします。
室温をうまく調整して、夏を快適に過ごしましょう。