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75歳以上の後期高齢者の自己負担が1割から2割へ制度改正の詳細を解説!

2022年02月25日(2022年07月20日更新) 老後の暮らし

75歳以上の後期高齢者の自己負担が1割から2割へ制度改正の詳細を解説!2008年4月より施行された後期高齢者医療制度ですが、制度改正に伴い自己負担が1割から2割へ増えることとなりました。

そこで本記事では、負担が2割になるのはどんな人なのか、引き上げられるのはいつなのかなど、制度改正の詳細を解説していきます。

一定所得のある75歳以上は医療費負担が1割から2割引き上げ

一定所得のある75歳以上は医療費負担が1割から2割引き上げ後期高齢者医療制度の変更に伴い、75歳以上の自己負担が1割から2割へ増額されますが、自己負担2割となるのは所得など一定の条件を満たした世帯に限られます。

自己負担2割の対象となるのは、課税所得額が28万円以上かつ年収200万円以上の75歳以上(後期高齢者)がいる世帯です。

世帯内に75歳以上が1人のケースでの年収条件は200万円以上ですが、世帯内に75歳以上の方が2人以上いるケースでは、年収条件が320万円以上に変わります。

例えば75歳以上の夫婦2人のケースでは、どちらかが年収200万円を超えていても、2人の収入の合計が320万円未満なら、自己負担2割の対象から外れるというわけです。

【自己負担が2割に引き上げられる対象者】

  • 年収が200万円以上ある75歳以上の後期高齢者
  • 合算年収が320万円以上ある75歳以上の夫婦

自己負担が2割に引き上げられるのはいつ?

実際に自己負担が2割に増額されるのは、2022年(令和4年)10 月1日からといわれています。

2021年6月に「医療制度改革関連法」が可決・成立し、後期高齢者の一部の負担が、2割に増額されることになりましたが、この法案では2022年10月から2023年3月までの間に引き上げると定めていました。

そのため、当初の計画の中でも最も早い時期に引き上げが実施されることとなりました。

引き上げの背景としては、現役世代の負担軽減のため、経済団体や被用者保険の保険者から早期引上げを望む声が多くあったことも理由の1つといえるでしょう。

医療費2割負担で実際に増える医療費はどのくらい?

医療費2割負担で実際に増える医療費はどのくらい?医療費が2割負担となった場合、実際に増える自己負担額がどのくらいかイメージがつかない方もいるでしょう。

例えば1ヶ月当たりの医療費が6万円のケースでは、どのくらい負担が増えるのでしょうか 。

このケースでは、1割負担だと1ヶ月で支払う金額は6千円ですが、2割負担だと1万2千円になります。

つまり、2割負担では計算上、自己負担額は2倍となるわけです。

1ヶ月当たりの医療費が少ない(数千円程度)なら、2割負担となっても影響は少ないかもしれません。

しかし、1ヶ月当たりの医療費が数万円かかるケースでは、年間で数万円の自己負担額増加となるため、家計への影響も大きくなります。

医療費の急激な増加に備え、激変緩和処置が用意されている

しかし、安心してください。

このような、2割負担への変更によって家計への影響が大きくなる方々の存在に備え、「激変緩和措置」が用意されています。

激変緩和措置は、制度改正後3年間は1ヶ月分の自己負担の増加額が最大3千円に収まるようにする措置のことです。

例えば1ヶ月当たりの医療費が6万円のパターンでは、2割負担への変更で自己負担額が6千円増加します。

しかし、激変緩和措置により2025年10月までは自己負担額の増加は3千円に抑えられるため、負担が増えた6千円のうち、実際に支払うのは3千円までとなる訳です。

一定額以上の医療費には高額療養費制度や医療費控除の活用を

2割負担となった際に問題となるのが、病気やケガなどで高額な医療費が発生する場合ではないでしょうか。

手術などをすると1ヶ月分の総医療費(保険適用される診療費用の総額)が100万円を超えることもあるため、自己負担額も大きくなります。

1割負担でも家計への影響は大きく、2割負担となると更に厳しくなりますよね。

このような高額な医療費による負担を軽減するために、高額療養費制度や医療費控除などの制度が用意されています。

一体どのような制度なのでしょうか、順番にみていきましょう。

医療費控除とは?

医療費控除とは?医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費に応じて所得控除が受けられる制度です。

所得控除は、確定申告で所得税や住民税を計算するときに対象外となる金額を指します。

所得控除が大きければ大きいほど、納めるべき所得税額は低くなるので、医療費控除を行えば税負担を軽減できます。

ただし、医療費控除はいつでも受けられる訳ではありません。

年間所得が200万円以上の場合は1年間の医療費が10万円を超えた時、年間所得が200万円未満の場合は1年間の医療費が所得の5%以上となった時に医療費控除を受けられます。

例えば年間所得が120万円の場合、年間の医療費が6万円を超えれば医療費控除を受けられる訳です。

また、税金を納める人が支払った医療費だけでなく、生計を一緒にする家族分の医療費もまとめて医療費控除の対象にできます。

医療費控除で注意したいのは、控除の対象となる医療費と、ならない医療費があることです。

基本的には「治療」を目的としたものは控除の対象となりますが、「予防」を目的としたものは控除の対象にならない傾向があります。

例えば、医師に治療の対価として支払った医療費やかぜ薬など医薬品の購入費用などは控除の対象となりますが、病気予防・健康増進を目的としてサプリメント代や予防接種の費用などは控除の対象となりません。

セルフメディケーション税制

また、医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制という制度があります。

セルフメディケーション税制は、制度の対象となる特定の医薬品の購入費用が1万2千円を超えた場合に、確定申告で所得控除を受けられる制度です。

年間の医療費が10万円を超えていなくても、利用できるので確認してみましょう。

ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらか一方しか利用できないので、両方利用できるケースでは控除額が大きいほうを選ぶと良いでしょう。

高額療養費制度とは?

高額療養費制度は、1ヶ月あたりの自己負担額が一定の上限額を超えた場合にその超過分を払い戻してくれる制度です。

例えば1ヶ月あたりの上限額が10万円で、自己負担額が15万円のケースでは5万円が払い戻されるという制度です。

この自己負担額の上限額は、年齢と所得状況により変動します。

例えば、70歳以上の方の場合は、所得(年収)によって6つの区分があり、それぞれ上限が異なっています。

【年間の所得が約370万円~約770万円の場合】
1ヶ月の上限額は
80,100円+(医療費-267,000円)×1%

 

【年間の所得が約1160万円~の場合】
1ヶ月月の上限額は
252,600円+(医療費-842,000円)×1%

自己負担額が高額療養費制度の上限額に達しない場合は、「世帯合算」を利用してみましょう。

世帯合算は同一月内であれば同じ世帯の他の方と自己負担額を合算できる制度です。

ただし、世帯合算を利用するには同じ医療保険に加入している必要があるので、注意しましょう。

また、高額療養費制度は申請から超過分の支給まで3ヶ月程度かかるため、超過分の医療費をいったん自分で支払う必要があります。

しかし、治療内容によっては医療費が高額になり、支払いが難しくなる可能性もあります。

そんな時に活用したいのが限度額適用認定証です。

限度額適用認定証は、加入している医療保険に申請して入手するもので、これを使えば窓口での支払いを高額療養費制度の上限額までに押さえられます。

医療費が高額になることがわかっている場合などは、事前に限度額適用認定証を申請しておきましょう。

まとめ

まとめ75歳以上の医療費の自己負担が1割から2割へ引き上げられる、というニュースを見て驚いた方も多いかもしれませんが、2割負担となるのは、本人年収200万円以上の後期高齢者に限られます。

まずは自分が2割負担に該当するかどうか確認しましょう。

2割負担に該当した場合、家計への影響は避けられませんが、2025年10月までは激変緩和措置により自己負担の増加を一定額に抑えられます。

また、高額療養費制度や医療費控除の活用を検討するなど、老後の医療費の負担を少しでも軽減するための準備も行いましょう。

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