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タンス預金は相続対策として有効?バレる可能性は?

2022年05月09日(2023年01月24日更新) 老後資金の準備

タンス預金は相続対策として有効?バレる可能性は?超低金利が続いている日本の金融機関の現状を見て、わざわざ預金に入れずにタンス預金している人が増えています。

そんなタンス預金が、相続対策として成り立つのか、どんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう!

タンス預金とは

タンス預金とは、まとまった現金を預金に入れずに自宅で保管している状態です。

かつて日本の家庭では、現金をタンスにしまい込むことが多かったことからタンス預金と言われています。

しかし、保管場所が自宅であればどこに置いていてもタンス預金です。

預金の金利が限りなくゼロに近くなったことで、預金のメリットが感じられずにタンス預金をしている世帯が増えており、日本銀行の統計によれば、2020年3月末の家計の金融資産の内、およそ5%がタンス預金になっています。

タンス預金には金融機関の預貯金とは異なる特徴がいくつもありますが、資金移動の記録が残らないという点から相続対策として現金での保管をしている人もいます。

確かに、預金口座のように正確な記録がない現金の行方を第三者が確認するのは困難でしょう。

しかし、将来的に子供や孫に迷惑をかけないためにも、そもそもタンス預金が相続対策になるのか、金利が低いとはいえ、家に保管しておく以外に方法はないのか、きちんと考える必要があります。

タンス預金は相続対策として使える?使えない?

タンス預金は相続対策として使える?使えない?タンス預金が合法的に相続対策になるかというと、答えは「否」です。

タンス預金も相続税の課税対象となる遺産として、「現金」の項目で計上しなければなりません。

もちろん、現金なので被相続人のものであるという証拠はありませんが、相続財産として申告しなければならないことを理解していて隠したとしても、税務署にバレてしまう可能性は高いです。

そして、もしタンス預金を意図して隠していたことがバレた場合には、本来の納税額に加え、重加算税として35%のペナルティや日割りの延滞税が課税される可能性が出てきます。

従って、タンス預金として資産を過少申告することは、相続対策としては違法になるだけでなく、ペナルティの重さを考えても悪手で使えないと考えた方が良いでしょう。

タンス預金のメリット

タンス預金のメリットタンス預金は利息こそ付きませんが、預金とは異なるメリットもあります。

以下にタンス預金のメリットについて見ていきましょう。

必要が生じたときにすぐに使える

預金の場合、資金が必要になったときに金融機関やATMが閉まっていれば現金を手にすることができません。

仮にコンビニなどでいつでも出金できる金融機関であっても、払い出しに出かけなければならないのですぐに使うことは不可能です。

その点、タンス預金は必要な時にすぐ現金払いができる上、ATMの利用手数料もかからないので便利です。

口座の凍結による影響を受けない

差押を受けたときや自己破産などの手続きをしているとき、あるいは口座名義人が死亡した時は、その預金口座は凍結されて誰も払い出しができなくなります。

特に口座名義人が亡くなった場合、葬儀費用などすぐに必要な現金が出せなくなるので身内が立て替えたり、支払いを待ってもらったりしなければなりません。

タンス預金でまとまった資金があれば、このような非常時でもすぐに支払いができるので手続きがスムーズです。

金融機関の破綻などから資産を守れる

預け入れをしている金融機関が破綻した場合、ペイオフという制度により、預金の内1000万円を超える部分は保証されていません。

可能性は低いですが、高額の資金を一つの金融機関に預けていると、手元に1000万円しか残らなかったというケースもあり得ます。

その点、タンス預金ならばいくら保管していても金融機関の破綻による損失は発生しません。

貯蓄を隠せる

預金口座はマイナンバー登録の義務化が検討されており、今後国が個人の資産を容易に把握できるようになるといわれています。

預金以外の資産に関しても、不動産は登記簿に記載されていますし、投資信託や株も証券会社にマイナンバーを提出しているため、調査すればすぐに見つかるでしょう。

一方、タンス預金は自分で管理するのでマイナンバーに紐づけすることができず、人知れず資産を保管しておきたい場合などに向いています。

詳細な資産を第三者に把握されたくない、家族にも内緒で蓄えを持っておきたいなどの希望があれば、タンス預金が向いています。

タンス預金のデメリット

タンス預金のデメリットもちろん、タンス預金ならではのデメリットもあります。

以下に代表的なものを見ていきましょう。

紛失や盗難、災害時の補償がない

自宅に保管している現金は、火災保険や地震保険等でも保障の対象外 です。

金融機関に預金していれば、通帳がなくなった場合でも所定の手続きを経て引き出すことが可能ですが、火事や地震などの災害時にタンス預金を失った場合には保険で取り戻すことはできません。

また、自分しか保管場所を知らないということは、置き場所を忘れたときに見つける術がないということでもあります。

さらに、空き巣や強盗が最初に狙うのが現金であるため、これらの被害で奪われる可能性も高いです。

親族間のトラブルになることがある

所有者を明確にできない大金が自宅に保管されていた場合、親族間のトラブル に発展する可能性が生じます。

自宅の管理を任せた身内が無断で持ち帰ったり、相続が開始してから遺産分割で揉めたりする可能性も少なくありません。

親族間で揉めなかった場合でも、後日相続税の申告を修正したり遺産分割協議をやり直したりすることになるため、最終的には金額や保管場所を伝えておいた方が良いでしょう。

タンス預金は税務署にバレてしまうってほんと?

タンス預金はマイナンバーに紐づけされていないため、税務署にバレないと考えがちです。

しかし、相続が発生した場合、相続税の申告が必要なほどの資産を保有していた故人に対しては、税務署は過去数年に及ぶ申告内容を調査しておおよその資産を把握 しています。

そのため、申告額があまりにも少額であった場合、あるいは預金等の口座からまとまった払い出しがあった場合には、自宅に調査が入る可能性もあります。

また、故人だけでなく親族の預金口座も調査するため、親族がタンス預金を持ち帰って自分の預金に入れた場合でも、調査でバレてしまうでしょう。

直近のデータだけでなく長期的な資金移動を確認するため、このほかにも異常な動きがあれば厳しく調べられます。

税務署の調査は多方面に及ぶ上、金融機関などが協力的なこともあり、たとえタンス預金であってもバレてしまう可能性は高いと考えた方が良いでしょう。

結論:タンス預金は相続対策にはおすすめできない!

結論:タンス預金は相続対策にはおすすめできない!このように、相続対策としてのタンス預金は節税にならないどころか、申告や遺産分割協議のやり直し、追徴課税などのリスクがあるのでおすすめできません。

現金としていくらか置いておきたいという場合には、必要と思われる金額をきちんとした場所に保管して、管理を任せる相手にも伝えておくと良いでしょう。

相続対策として有効な手段を探しているなら、「生前贈与」がおすすめです。

贈与税は毎年110万円以内ならば非課税なので、渡したい相手に非課税の範囲内で贈与しておけば、最終的な相続財産の額を減らすことができます。

ただし、定期的な贈与は相続とみなされる可能性があること、故人の死亡前3年以内の贈与は相続財産となることに気を付けましょう。

また、現金での贈与は否認されることも多いなど注意点もあるため、専門家に相談することをおすすめします。

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