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遺族年金は夫と妻でもらえる条件が違う?受給条件や支給例を紹介

2022年11月30日(2023年01月25日更新) 老後の暮らし

一家の大黒柱が亡くなり、貯蓄や生命保険の加入がない場合、残された家族はたちまち生活ができなくなってしまいます。

そんな時に大きな支えとなるのが、遺族年金です。

こちらでは、遺族年金の受給条件や支給例について見ていきましょう。

遺族年金とは

遺族年金とは、一定の条件を満たした被保険者であり、世帯の家計を担う人が亡くなったときに遺族に支払われる年金のことです。

年金という名称ではありますが、被保険者の年齢は関係なく、被保険者と遺族が受給条件を満たしているかどうかで判断されます。

また、遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金に分かれており、受給する遺族が男性か女性かで条件が異なりますし、残された遺族の家族構成によっても変化しますので、自分や家族が受給できるか判断することが容易ではありません。

しかし、条件を満たしていれば継続的に一定の年金を受給することができますので、きちんと確認しておくことをおすすめします。

子どもがいる場合は、遺族基礎年金

遺族に子どもがいて受給条件を満たしている場合には、遺族基礎年金が支給されます。

以下に、遺族基礎年金の受給条件と計算方法を見ていきましょう。

遺族基礎年金の受給条件

遺族基礎年金の受給条件は、故人と遺族それぞれに定められています。

故人の条件は以下の通りです。

  • 国民年金に加入している
  • 国民年金に加入していた人で日本国内に住所があり、年齢が60歳以上65歳未満である
  • 上記2つのいずれかを満たし、亡くなった日の2カ月前までの被保険者期間中に保険料納付期間と保険料免除期間の合計が3分の2以上である、もしくは亡くなった日の2カ月前までの1年間に保険料の支払いを滞納していない

または、

  • 老齢基礎年金を受給中である
  • 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていた

受給できる遺族の条件は、故人の収入によって生計が維持されていた子どものいる配偶者、もしくは子ども自身であることです。

具体的には、遺族の前年の年収が850万円未満、または所得が655万5,000円未満であり、故人と同居していた、あるいは生計が同一であったと証明する必要があります。

この場合の子どもとは、18歳になる年度の3月31日を経過していない、あるいは20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級のいずれかを満たしている必要があります。

遺族基礎年金の計算方法と支給例(夫が亡くなった場合)

夫が亡くなり、配偶者と子どもが残された場合の計算方法と支給例を見ていきましょう。

遺族基礎年金は故人の収入に関係なく、子どもの人数によって支給額が変化します。

具体的には、年額78万1,700円に子どもの人数に応じた加算額が加わった金額が支給されます。

子どもがいない場合は支給されませんので、最低支給額は子ども1人の場合の78万1,700円+22万4,900円=100万6,600円です。

子どもが2人の場合は加算額が44万9,800円となるため78万1,700円+44万9,800円=123万1,500円となります。

第3子以降は子ども1人につき7万5,000円が加算されていきます。

配偶者と共働きの場合は、遺族厚生年金

故人と配偶者が共働きで世帯の家計を支えていた場合には、夫ではなく妻が先に亡くなった場合でも遺族厚生年金が支給される可能性があります。

ただし、遺族基礎年金とは受給条件が異なりますので、注意が必要です。

遺族厚生年金の受給条件

遺族厚生年金も、遺族基礎年金と同じく故人と遺族それぞれに受給条件があります。

なお、子どもの定義は遺族基礎年金と同様で、故人の条件は以下の通りです。

  • 厚生年金の加入者である
  • 厚生年金加入中に初診日がある傷病がもとで、初診日から5年以内に死亡した
  • 上記2つのいずれかを満たし、死亡日の前日において国民年金加入期間の内3分の2以上が保険料納付済期間である。ただし、死亡日が令和8年3月末までは故人が65歳未満の場合、亡くなった日の2カ月前までの1年間に保険料の未納がないこと

または

  • 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっていた

あるいは

  • 老齢厚生年金を受給中である
  • 老齢厚生年金の受給資格を満たしていた
  • 上記2つのいずれかを満たし、保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上ある

遺族の条件は以下の通りです。

下に行くほど優先順位が下がり、該当者が複数いる場合には優先順位が最も高い人だけが受給できます。

  • 妻(ただし、30歳未満で子どもがいない場合には受給期間は5年間のみ)
  • 子ども
  • 父母(故人の死亡時に55歳以上である場合に限り、60歳から受給可能)
  • 祖父母(父母と同条件)

遺族厚生年金の計算方法と支給例(夫が亡くなった場合)

遺族厚生年金の支給額は、老齢厚生年金の4分の3となっています。

老齢厚生年金は以下の2つを合算した金額です。

  • 平成15年3月までの被保険者期間における各月の標準報酬月額の平均額に1000分の7.125と平成15年3月までの加入期間の月数を乗じたもの
  • 平成15年4月以降の被保険者期間における各月の標準報酬月額と標準賞与額を合わせた平均額に1000分の5.481と平成15年4月以降の加入期間の月数を乗じたもの

計算が複雑なので、正確な金額は年金事務所で確認したほうが良いでしょう。

おおよその目安としては、平均標準報酬月額が20万円の場合は遺族厚生年金は32万4,911円、30万円ならば48万7,366円、40万円で64万9,822円、50万円で81万2,277円、60万円では97万4,733円と収入に応じて増額されていきます。

【注意】遺族厚生年金は男女で受給条件が異なります!

遺族の条件からもわかるように、遺族厚生年金の受給条件は男女で異なります。

妻は年齢に関係なく最優先で受給できるようになっていますが、夫の場合は優先順位が3番目になる上、別途条件がつきます。

具体的には、父母や祖父母と同じく、妻の死亡時に55歳以上である場合に限り、60歳から受給可能です。

ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、60歳前でも支給されます。

夫と共働きで子どもがいる場合、妻はどちらの遺族年金も受け取れる!

夫と共働きであっても、夫婦で生計を同じにしており、妻の年収が850万円未満、もしくは所得が655万円5000円未満であれば遺族厚生年金を受け取ることができます。

さらに、対象となる子どもがいる場合には、遺族基礎年金も合わせて受け取りながら、働いて収入を得ることが可能です。

ただし、内縁関係も含めて、再婚した場合には受給資格が消滅する点に注意しましょう。

妻が亡くなった場合に夫が遺族年金を受け取れないケース

妻が亡くなって夫が残された場合には、遺族年金を受け取れないケースが存在します。

以下に具体的な例を見ていきましょう。

夫の収入が850万円以上ある

夫の年収が850万円、もしくは所得が655万円5000円以上ある場合、遺族年金を受け取ることができません。

ただし、土地や株式等の売却益のような一時所得は含めずに判定します。

遺族厚生年金を上回る額の老齢厚生年金を受給する

老齢厚生年金と遺族厚生年金はどちらか一方しか受給できませんが、どのような取り扱いになるかは夫の年齢によって異なります。

65歳までは自分でどちらを受給するか選択することができますが、65歳以降は遺族厚生年金が老齢厚生年金の額を上回っている場合に限り、差額を受給できます。

夫の収入が妻よりも高額であれば、老齢厚生年金の額が遺族厚生年金を上回るため、65歳以降は遺族年金を受給できないということです。

まとめ

遺族年金は働き手を失い、生計に不安が生じるときに大きな支えとなる制度です。

しかし、遺族基礎年金と遺族厚生年金で条件や支給額が異なるため、自分が受給条件に該当するのか分からない場合には、窓口で相談すると良いでしょう。

遺族基礎年金に関する相談や申請は市区町村役場、遺族厚生年金は年金事務所が窓口となります。

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